第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、民間設備投資の増加や底堅い個人消費に支えられ、緩やかな拡大基調で推移しておりましたが、米国のサブプライムローン問題やエネルギー・原材料価格高騰などの影響により年度末にかけて景気の勢いは減速しました。 
 当社グループの事業に大きく関係する情報通信分野におきましては、FTTHを軸としたブロードバンドサービスの拡大とともにユビキタスネット社会の実現に向けた動きが活発化しました。NTTグループでは2010年光2000万加入達成に向け、NGN商用サービスが開始されたほか、家庭向けビジネス強化の方針が明確に打ち出されました。移動通信事業者各社では利用者確保に向けたサービス強化のため、高速データ通信対応や通話エリア拡大のための設備補強が実施されたほか、MVNO事業者の参入やWiMAX事業認可など新たな動きも加わり、サービスと価格の両面で激しい競争が繰り広げられました。 
 こうした事業環境のもと当社グループは、①収益力向上体制の構築と確実な施工推進、②受注拡大と柱となる事業の早期確立、③安全確保と品質向上へのあくなき取り組み、④徹底的コスト削減策の推進、⑤中長期的視野に立った人材育成、⑥グループ全体の受注拡大と事業の効率運営、⑦CSR経営の定着、という基本方針に沿って諸施策を展開してまいりました。 
 具体的な取り組みとしましては、通信建設事業では家庭向け光ファイバ工事や移動通信関連工事、建物内設備工事など、拡大分野を明確にするとともに、受注拡大に向けて組織整備等営業体制の強化を図りました。また、お客様に安心していただける確実な施工を実施するため、「きっちり工事運動」をグループ全社で展開してまいりました。そのほか、情報システムを活用した工事品質管理の推進や技術者の育成にも注力いたしました。通信建設事業以外では、情報サービス事業をはじめ、住宅不動産事業、半導体製造装置の設置・保守事業、人材派遣事業などの受注拡大に努めてまいりました。 
 その結果、当連結会計年度の業績につきましては、連結受注高は713億99百万円(前期比101.0%)、連結売上高は718億90百万円(前期比100.4%)、連結営業利益は17億39百万円(前期比95.5%)、連結経常利益は21億25百万円(前期比105.4%)、連結当期純利益は9億77百万円(前期比74.8%)となりました。 
 

①通信建設事業

 家庭向け光ファイバ工事は堅調に推移しましたが、移動通信関連工事の減少・小規模化などにより、売上高は前年と比べて減少いたしました。営業利益は、管理間接コストの削減などに努めましたが、工事原価が上昇し前年と比べて減少いたしました。

 

②情報サービス事業

 景気の拡大基調を背景に、積極的受注拡大に努めたほか、事業効率を高めた結果、売上高、営業利益ともに前年と比べて増加いたしました。

 

③住宅不動産事業

 分譲マンション・分譲戸建ての販売促進に注力した結果、売上高は前年と比べて増加いたしましたが、材料価格高騰の影響などから営業利益は前年と比べて減少いたしました。

 

④リース他事業

 民間の設備投資拡大を背景に、半導体製造装置の設置・保守事業、人材派遣事業などの受注拡大に努めた結果、売上高、営業利益ともに前年と比べて増加いたしました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4百万円減少し、46億36百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は減少したものの、売掛債権の回収が順調に進んだこともあり、18億74百万円の資金増加(前連結会計年度62百万円の資金減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却・償還による収入があったものの、営業所社屋建替え、高所作業車の更新などにより、19億66百万円の資金減少(前連結会計年度6億11百万円の資金減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の一部を借入金で充当したことにより、96百万円の資金増加(前連結会計年度25億95百万円の資金減少)となりました。

 

2 【受注高及び施工高の状況】

(1) 受注高、売上高、繰越高及び施工高

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
前期
繰越高
(百万円)
当期
受注高
(百万円)

(百万円)
当期
売上高
(百万円)
次期繰越高
当期
施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち
施工高
(百万円)
前連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
通信建設事業
11,462
57,685
69,148
58,854
10,294
3,299
58,871
情報サービス事業
120
4,342
4,463
4,306
156
61
4,313
住宅不動産事業
83
2,272
2,355
2,227
128
2,227
リース他事業
1,657
6,372
8,030
6,218
1,812
12
6,223
13,324
70,673
83,998
71,606
12,391
3,373
71,635
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
通信建設事業
10,294
57,635
67,929
58,384
9,545
2,925
58,010
情報サービス事業
156
4,603
4,759
4,643
116
62
4,643
住宅不動産事業
128
2,449
2,577
2,310
267
2,310
リース他事業
1,812
6,711
8,524
6,552
1,971
8
6,548
12,391
71,399
83,791
71,890
11,901
2,996
71,513

(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。従って当期売上高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越高の施工高は個別進捗率により算出したものである。

3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 売上高

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
西日本電信電話株式会社
(百万円)
その他
(百万円)
合計
(百万円)
前連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
通信建設事業
36,552
22,301
58,854
情報サービス事業
4,306
4,306
住宅不動産事業
2,227
2,227
リース他事業
6,218
6,218
36,552
35,054
71,606
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
通信建設事業
36,933
21,450
58,384
情報サービス事業
4,643
4,643
住宅不動産事業
2,310
2,310
リース他事業
6,552
6,552
36,933
34,956
71,890

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店
平成18年度静岡西部エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成18年度豊橋エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成18年度一宮エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成18年度名古屋中央エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成18年度刈谷エリアサービス総合工事

 

当連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店
平成19年度静岡西部エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度名古屋中央エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度一宮エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度刈谷エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度豊橋エリアサービス総合工事

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

 

前連結会計年度
西日本電信電話株式会社
36,552百万円
51.0%
当連結会計年度
西日本電信電話株式会社
36,933百万円
51.4%

 

(3) 手持高

手持工事は上記(1)のとおりであるが、その主なものは次のとおりであります。

 

西日本電信電話株式会社 
 岐阜支店
岐阜総19-0203 電気通信設備工事
 
平成21年2月完成予定
 
清水建設株式会社
三好町莇生宅地開発事業工事
平成20年6月完成予定
名古屋防衛施設支局  
守山(19)庁舎新設通信工事
平成20年8月完成予定
西日本電信電話株式会社
 岐阜支店
岐阜総19-0201 電気通信設備工事
 
平成21年1月完成予定
 
学校法人電波学園
 
ぎふ(中部)国際高等学校新築工事に伴う電気・機械設備工事
平成20年9月完成予定
 

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの事業に大きく関係する情報通信分野では、FTTHを軸としたブロードバンド化の進展とともにIP電話への移行が加速しているほか、地上デジタル放送と通信の融合やビデオオンデマンドなど様々なサービスが広がりを見せています。 
 移動通信の分野でも、ブロードバンド化の進展とともに、サービスの多様化、高度化が進められているほか、WiMAX技術を用いた無線アクセスの事業化なども具現化されつつあります。 
 一方では、通信事業者間の激しい競争下において受注価格面で厳しさが増すことが予想されるほか、通信事業者各社の今後の設備投資も不透明な状況にあります。 
 当社グループとしましては、こうした市場の動向を注視しつつ、継続的事業拡大のためにグループ全体で受注拡大と収益性の向上に努めてまいります。 
 2008年度は、①受注拡大と収益性向上、②効率的事業運営とコスト削減、③確実な施工推進、④CSR経営推進、という基本方針のもとで諸施策を実践していく所存であります。 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(特定の得意先との取引について) 

当社グループは、通信建設事業を主な事業としており、NTTグループを始めとする通信事業者各社との安定的な取引を継続しておりますが、これら各社の売上高に占める割合が高く、通信事業者各社の設備投資動向や技術革新によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(CSRについて)

当社グループは、人身事故ゼロ・設備事故ゼロ・情報漏洩ゼロの企業理念を基本として、安全衛生や品質のマネジメントシステムを導入し、お客様の満足のために信頼の技術と品質を提供することとしておりますが、重大な事故等不測の事態を発生させた場合は、社会的に大きな影響を与えるとともに、営業活動に制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、ユビキタスネットワーク社会の実現を支える、次世代ネットワーク構築関連技術に関する研究開発、事業展開に密着した研究開発、また先端技術修得を、専門研究機関、関連企業等と協調して継続的に進めております。 

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、46百万円(研究員7人)となっており、主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(通信建設事業)

①次世代ネットワーク構築に関する企画、設計、施工及び管理技術の研究開発

IPネットワーク上での音声通信に関する設備と方式技術(VoIPネットワーク構築技術)、ブロードバンド対応の映像配信(VOD)技術、次世代ネットワークNGN(Next Generation Network)の基幹技術および利用技術に関する研究開発。

②通信建設工事に関する研究開発

情報通信インフラを安全かつ効率的に構築するための機工具開発、非破壊探査技術、ビル・構内光配線に関する設計、工法等の研究開発。

③無線通信技術に関する研究開発

ユビキタスネットワーク社会の中核技術をなす無線通信技術のうち、高速無線方式、無線LAN、固定通信と移動通信の融合(FMC)、RFID(無線ICタグ)等の研究開発。

 

(リース他事業)

ICTソリューション事業の研究開発

NGN向け製品サービスとして、デジタルカメラをベースとした製品の開発。 
 遠隔地における打ち合せが可能なコミュニケーションシステム、1台で設置フロアを死角なしに監視できる監視システム及び全方位の画像を撮影できる画像記録システムの3機種を開発。 

 

(情報サービス事業及び住宅不動産事業)

研究開発活動は特段行われておりません。

 

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、減価償却資産の減価償却の方法を除いて、前連結会計年度と同一の基準に従って作成しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、通信建設事業において、家庭向け光ファイバ工事は堅調に推移したものの、移動通信関連工事の減少・小規模化などにより売上高は減少しましたが、通信建設業以外の情報サービス、住宅不動産及びリース他事業では、景気の拡大基調を背景に好調な受注に支えられ、全体としては増収となりました。

利益面につきましては、増収効果はあったものの、工事原価の上昇等により減益となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を受ける要因について

当社グループは、NTTグループを始めとする通信事業者各社の設備投資動向や技術革新によって大きな影響を受ける可能性があります。

 NTTグループが推進する「2010年光2000万」加入達成に向け、NGN商用サービスが開始されたことに伴い、お客様ニーズの多様化による受注環境の拡大が期待できますが、通信事業者間の競争激化による価格競争及びサービス向上による技術力確保に係るコストが営業損益を圧迫する要因となることが予想されます。

 

(4) 基本戦略の取り組み

当社グループの生成・発展のために、「トータルサポートのソリューション・エンジニアリング企業グループとして、お客様のファーストブランドとなるため邁進する」という2010年ビジョンを掲げ、中期経営計画(平成18年~20年度)を推進してまいりました。

しかし、当社グループを取り巻く経営環境は、今後さらに大きく変動することが予想されるなかで、平成20年度はこれまでの施策展開を踏まえたうえで、やや中期的なスタンスに立った目標を策定し、その実現に向けてまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は減少したものの、売掛債権の回収が順調に進んだこともあり資金増加となりましたが、投資活動によるキャッシュ・フローでは、営業所社屋の建替え、工事用車両の更新等の設備投資により資金減少となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、自己株式の取得、配当金の支払い等がありましたが、運転資金の一部を借入金で充当したことにより資金増加となりました。

平成20年度は、工事用車両更新等への設備投資が一段落するものの、一年以内長期借入金30億円の返済が予定されており、金融市場の情報収集に努め、効果的な資金調達を展開してまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループを取り巻く経営環境は、主力事業であるNTT通信建設事業において、NGNサービ開始に伴い設備投資の増加が期待される反面、光アクセス系の設備投資の減少が予想されます。また、移動通信事業では、WiMAX技術を用いた無線アクセスの事業も具現化されつつありますが、通信事業者間のサービス競争が受注価格へ直結することが必至であります。

このような経営環境に対し、「受注拡大と収益性向上」を柱に、「効率的事業運営とコスト削減」、「確実な施工推進」、「CSR経営推進」を中期的に展開し、グループ全体で利益を創出すべく経営体質の強化に努めてまいります。