第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下「NDSグループ」という。)を取り巻く情報通信業界は、情報通信社会の技術・市場構造の変化によって、平成14年11月にNTTが発表した「“光”新世代ビジョン−ブロードバンドでレゾナントコミュニケーションの世界へ−」に代表されるように、各通信事業者はこれまでの事業構造の変革を迫られており、固定電話網などの従来型通信設備投資の減少及び発注価格の低廉化などにより、非常に厳しい1年となった。

 このような経営環境下において、NDSグループは6つの経営方針を掲げ諸施策を実施してきた。

@受注拡大

     より積極的かつグループ一体となった地域営業活動を推進することを目的に、平成14年9月に、これまでの製品別事業運営体制を見直し、お客様に対し提案営業・設計・施工・運用・保守までをワンストップでサービス提供できる、お客様別事業運営体制へ移行した。同時に、それを支えるためのIT本部を新設し、さらなる受注拡大を推進する体制整備も行った。

A徹底的コスト削減

  給与・諸手当の見直しによる人件費の削減、アウトソーシングや共通業務集約化の推進による本社管理費の適正化及び地域毎のグループ体制の強化による外注費の適正化等を実施した。加えて、平成14年12月に厚生年金基金代行部分の返上を行う等徹底的なコスト圧縮施策を展開した。

B将来部門への政策投資

  主に、IT・IP分野をターゲットに、各方面とのアライアンスも含めた、積極的な商品開発及び顧客開拓を行った。また、人材育成・資格取得の面では、全社挙げての取り組みの結果、「技術士」をはじめとして、各種国家資格・ベンダー資格の取得等、着実に成果が現れてきた。

Cグループ経営推進

  平成14年4月からNDSグループ統合システムの稼動を開始し、連結管理会計の高度化に取り組んだ。平成14年9月には、組織見直しと同時に、連結業績重視の地域グループフォーメーションを確立した。

D転進支援制度導入・人事制度改革

  平成14年4月に、社員の再就職・独立等の支援を行うことを目的に、転進支援制度を導入し、併せて平成15年3月には、よりメリハリのある成果重視型人事制度を導入した。

E安全確保と品質向上

  平成14年12月にOHSAS18001の認証を取得し、既に認証を取得しているISO9001、ISO14001と合わせて、労働安全・品質・環境レベルの一層の向上を図った。

当連結会計年度の業績は、売上高が63,746百万円と前年同期と比べ9,376百万円(12.8%)の減収となった。利益面については、営業利益が698百万円と前年同期と比べ1,445百万円(67.4%)の減益、経常利益も744百万円と前年同期と比べ1,322百万円(64.0%)の減益、一方、当期純利益は429百万円と前年同期と比べ70百万円(19.7%)増益となった。

   

    事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりである。

   @通信建設事業

     NTT通信インフラ部門では、平成14年4月より実施されたNTT構造改革の影響、設備投資の抑制及びより一層の価格競争激化等から、受注高は総額で28,670百万円と前年同期と比べ9,133百万円(24.2%)の減少、売上高は前年からの繰越工事の減少もあり31,642百万円と前年同期と比べ7,411百万円(19.0%)の減収となった。

     NTT以外の通信インフラ部門では、NTT以外の通信事業者、官公庁・自治体、CATVほか、地域の企業・団体に対して、お客様別事業運営体制による積極的な営業活動を展開したものの、外資系通信事業者の経営破綻、設備投資凍結等もあり、受注高は総額で19,750百万円と前年同期と比べ1,772百万円(8.2%)の減少、売上高は20,585百万円と前年同期と比べ2,355百万円(10.3%)の減収となった。

     通信建設事業全体の受注高は48,420百万円と前年同期と比べ10,906百万円(18.4%)の減少、売上高は52,227百万円と前年同期と比べ9,767百万円(15.8%)の減収となった。営業利益はコスト削減策をはじめとするサバイバル21諸施策の断行、施工効率の一層の向上を図ったものの579百万円と前年同期と比べ1,361百万円減益(△70.1%)となった。

   A住宅不動産事業

     住宅市況の低迷が続く受注環境下であったものの、積極的な提案営業活動を展開した結果、売上高は3,543百万円と前年同期と比べ1,864百万円(111.1%)の増収、営業利益は74百万円と前年同期と比べ201百万円の増益となった。

    B情報サービス事業

     NTTの構造改革実施によるシステム更改需要に対する営業戦略展開、マーケットが集中する首都圏への要員シフト及び既存のお客様への深耕営業の実施等による積極的な受注拡大を図ったものの、競争激化に伴う受注価格の低廉化傾向は厳しいものがあり、売上高は4,234百万円と前年同期と比べ727百万円(14.7%)の減収、営業損失が196百万円と前年同期と比べ79百万円の減益となった。

   Cリース他事業

     設備投資抑制によるリース事業の低迷から、売上高は3,740百万円と前年同期と比べ745百万円(16.6%)の減収、営業利益は固定費のさらなる削減を図ったものの133百万円と前年同期と比べ138百万円減益(△50.9%)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得及び借入金の返済により、前連結会計年度に比べ853百万円減少し、当連結会計年度末には4,853百万円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,878百万円と、前連結会計年度に比べ775百万円の減少となった。これは、売上債権及び棚卸資産の減少、仕入債務の増加により資金は増加したが、非資金項目の減少が大きく上回ったためである。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における投資活動に使用した資金は1,676百万円と、前連結会計年度に比べ1,205百万円の支出減となった。これは、投資有価証券の売却による収入が増加したものの、投資有価証券の取得による支出が増加したためである。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における財務活動に使用した資金は1,046百万円と、前連結会計年度に比べ233百万円の支出減となった。これは、長期借入金の返済が減少したためである。 

 

 

 

 

 

2 【受注高及び施工高の状況】

(1) 受注高、売上高、繰越高及び施工高

 

期別

事業の種類別

セグメントの名称

前期

繰越高

(百万円)

当期

受注高

(百万円)

(百万円)

当期

売上高

(百万円)

次期繰越高

当期

施工高

(百万円)

手持高

(百万円)

うち

施工高

(百万円)

前連結会計年度

(自 平成13年4月1日

至 平成14年3月31日)

通信建設事業

16,352

59,327

75,680

61,994

13,685

5,059

61,553

住宅不動産事業

354

1,558

1,912

1,678

233

15

1,694

情報サービス事業

790

4,812

5,602

4,962

639

40

4,926

リース他事業

1,327

4,689

6,016

4,486

1,529

55

4,524

18,823

70,387

89,210

73,122

16,087

5,171

72,699

当連結会計年度

(自 平成14年4月1日

至 平成15年3月31日)

通信建設事業

13,685

48,420

62,106

52,227

9,878

3,226

50,395

住宅不動産事業

233

3,964

4,198

3,543

654

3

3,530

情報サービス事業

639

4,081

4,721

4,234

486

81

4,276

リース他事業

1,529

3,374

4,904

3,740

1,163

10

3,696

16,087

59,841

75,929

63,746

12,182

3,322

61,898

(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。従って当期売上高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越高の施工高は個別進捗率により算出したものである。

3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 売上高

 

期別

事業の種類別

セグメントの名称

西日本電信電話株式会社

(百万円)

その他

(百万円)

合計

(百万円)

前連結会計年度

(自 平成13年4月1日

至 平成14年3月31日)

通信建設事業

39,054

22,940

61,994

住宅不動産事業

1,678

1,678

情報サービス事業

4,962

4,962

リース他事業

4,486

4,486

39,054

34,068

73,122

当連結会計年度

(自 平成14年4月1日

至 平成15年3月31日)

通信建設事業

31,642

20,585

52,227

住宅不動産事業

3,543

3,543

情報サービス事業

4,234

4,234

リース他事業

3,740

3,740

31,642

32,104

63,746

 

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店

平成13年度静岡西部エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 名古屋支店

平成13年度名古屋中央エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 名古屋支店

平成13年度刈谷エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 名古屋支店

平成13年度豊橋エリアサービス総合工事

株式会社名古屋交通開発機構

市営地下鉄への光ファイバーケーブル敷設工事

 

当連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 名古屋支店

平成14年度名古屋中央エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 静岡支店

平成14年度静岡西部エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 名古屋支店

平成14年度豊橋エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 岐阜支店

平成14年度岐阜エリアサービス総合工事

西日本電信電話株式会社 名古屋支店

平成14年度刈谷エリアサービス総合工事

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

 

前連結会計年度

 

 

西日本電信電話株式会社

39,054百万円

53.4%

 

 

 

当連結会計年度

 

 

西日本電信電話株式会社

31,642百万円

49.6%

 

(3) 手持高

手持工事は上記(1)のとおりであるが、その主なものは次のとおりである。

 

西日本電信電話株式会社

名古屋支店

愛知総14−1201電気通信設備工事

平成16年2月完成予定

株式会社エヌ・ティ・ティ

ドコモ株式会社

久屋大通駅 IMT不感知対策受託工事

平成15年5月完成予定

西日本電信電話株式会社

東海技術総合センタ

静岡総13−0205電気通信設備工事

平成15年5月完成予定

西日本電信電話株式会社

名古屋支店

愛知総14−0251電気通信設備工事

平成16年3月完成予定

西日本電信電話株式会社

名古屋支店

愛知総14−0151電気通信設備工事

平成16年3月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

 NDSグループの主な事業領域である情報通信市場を展望すると、各通信事業者間のさらなる価格競争の激化及びIP技術を始めとする情報通信技術のさらなる高度化により、各通信事業者の従来型通信設備投資の減少及び発注価格の低廉化傾向は、もはや継続的トレンドであると考えられる。また、主要取引先であるNTTの平成15年度設備投資が、民営化以来最低水準で計画されているなど、NDSグループを取り巻く経営環境は、ますます厳しさを増している。

 しかしながら、この情報通信技術の高度化、通信事業者間の熾烈な低価格化競争によるADSL・光アクセスサービスなどブロードバンドサービスの爆発的普及及びモバイルネットワークの高度化・多様化等によるIP化、ブロードバンド化、モバイル化の目覚しい進展は『いつでも・どこでも・だれとでも』データのやりとり・会話が可能な、ユビキタスネットワーク社会の早期実現を促している。

従って、NDSグループがこれまでの通信インフラ受注型企業グループから、強みである情報通信ネットワーク構築技術を核とした、ソリューション提案型企業グループへ変貌する、またとない機会ともなっている。

このような経営環境下において、NDSグループとしては、収益力強化に向けた基盤作りを行った平成14年度の「守り」の戦略から、IT・IP技術力の向上、営業強化を図り、より積極的に市場開拓・事業領域拡大を目指す「攻め」の戦略へ方向転換することとする。なお、平成16年度のNDS創立50周年を第2の創業期として捉え、@事業構造改革、Aブランド力強化、B業務の効率化・財務の健全化 の3つを柱とした中期経営計画Attack50を策定し、さらなる生成・発展を遂げてゆく所存である。

 

 中期経営基本方針及び具体的な対処すべき課題とその対策は次のとおりである。

中期経営基本方針

対処すべき課題とその対策

事業構造改革

@経営資源の新たなコア事業への集中、既存事業の最適再配分

A事業分野別ミッションの明確化

ブランド力強化

@お客様価値増大の推進

A競争優位性の向上

B営業力強化

業務の効率化・財務の健全化

@徹底した業務改善・効率化の推進

A安定した配当維持

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記事項なし。

 

5 【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、情報通信分野の技術革新が急速に進む中、ブロードバンド、IP、モバイルをキーワードに、光技術、LAN技術、次世代移動体システム技術及びブロードバンドtoザ・ホームに向けてのラストワンマイルからユーザ宅内、ホームネットワーク関連技術等の開発と最優先技術の習得を、関連企業及び専門研究機関等と協調して進めている。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、96百万円(研究員7名)となっており、主な研究開発活動は、次のとおりである。

(通信建設事業)

@LAN、WAN等のIPネットワーク構築に関する企画、設計、施工及び管理技術の研究開発。特に、無線LANと移動体通信を融合したシステムのオープンエリア(ホットスポット等)での利用技術、IP網上での音声通信に関するネットワーク設備等(VOIP、IP電話)に関する技術の開発。

A社会基盤インフラとして、インターネットが多様なサービスを提供しており、それらのインターネットを活用したシステムを安定稼動させる技術と、ネットワークセキュリティ技術の開発。いわゆる、MSP(Management Service Provider)に関する技術開発。

Bブロードバンド時代に有効なコンテンツの配信技術手法の開発。

C電子入札システム等のソフトウェアのパッケージ化技術の開発。

 

(住宅不動産事業、情報サービス事業及びリース他事業)

 研究開発活動は特段行われていない。

 

 なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。