第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に景気の持ち直しが見られたものの、設備投資や個人消費など、民間需要の回復力は弱く、依然として厳しい状況が続きました。
 当社グループの事業に大きく関係する情報通信分野においては、「固定通信と移動通信」や「通信と放送」などサービス面での融合が進展し、光アクセスを活用した次世代ネットワーク(NGN)のエリア拡大、携帯電話の不感地帯解消、地域での官民一体となったデジタル・ディバイド解消など、ユビキタスネット社会の実現に向けた様々なインフラ整備が進められました。
 その一方で、通信事業各社における料金、サービス両面での顧客獲得に向けた競争や、公共事業減少に伴う建設業界内の競争が激しさを増しており、受注環境は非常に厳しいものとなっております。
 このような事業環境の中、当社グループは①受注拡大とコスト低減、②人材の育成、③グループ事業運営の効率化、④CSR経営、内部統制システム定着の推進といった基本方針の下で事業を推進し、光関連工事や移動通信工事など通信事業各社からの受注確保に努めた他、官公庁・自治体等からの通信関連工事や建物内設備工事等の売上拡大に注力しました。
 その結果、当連結会計年度の業績は、連結受注高は681億83百万円(前期比89.6%)、連結売上高は703億43百万円(前期比96.9%)、連結営業利益は9億61百万円(前期比54.9%)、連結経常利益は12億4百万円(前期比61.0%)、連結当期純利益は5億69百万円(前期比93.0%)となりました。

 

①通信建設事業

通信事業会社の光アクセス工事や移動通信関連工事、官公庁・自治体等の建物内電気・通信設備工事の受注・売上確保に注力した他、管理間接コストの低減にも努めましたが、競争激化に伴う受注価格低下の影響から売上高・営業利益ともに前期と比べて減少しました。

 

②情報サービス事業

景気が低迷するなかで企業等の情報投資抑制の影響を受け、売上高・営業利益ともに前期と比べて減少しました。

 

③住宅不動産事業

市況が冷え込む中、既存の販売用不動産・仕掛不動産を中心に確実な販売に注力しましたが、売上高・営業利益ともに前期と比べて減少しました。

 

④リース他事業

民間の設備投資抑制の影響から、売上高は前期と比べ減少しましたが、通信機器製造事業の在庫調整が一巡したこともあり、管理間接コストの低減等により、営業利益は前期と比べて増加しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億48百万円減少し、38億82百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益11億63百万円の計上、仕入債務の増加45億26百万円、たな卸資産の減少25億13百万円及び減価償却費14億38百万円による資金の増加要因と売上債権の増加62億81百万円、長期未払金の減少3億86百万円及び法人税等の支払額3億55百万円による資金の減少要因により、19億93百万円の資金増加(前連結会計年度13億50百万円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の解約、貸付金の回収による収入がありましたが、定期預金の預入・有形固定資産の取得等により、4億83百万円の資金減少(前連結会計年度20億28百万円の資金減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び自己株式の取得等により、27億55百万円の資金減少(前連結会計年度11億73百万円の資金増加)となりました。

 

2 【受注高及び施工高の状況】

(1) 受注高、売上高、繰越高及び施工高

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
前期
繰越高
(百万円)
当期
受注高
(百万円)

(百万円)
当期
売上高
(百万円)
次期繰越高
当期
施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち
施工高
(百万円)
前連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
通信建設事業
9,545
63,162
72,707
59,559
13,148
2,391
59,025
情報サービス事業
116
4,489
4,606
4,469
136
44
4,451
住宅不動産事業
267
1,475
1,742
1,701
40
1,701
リース他事業
1,971
6,931
8,903
6,898
2,004
67
6,957
11,901
76,058
87,959
72,629
15,329
2,503
72,136

(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。従って当期売上高にもかかる増減額が含まれます。

2 次期繰越高の施工高は個別進捗率により算出したものであります。

3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
前期
繰越高
(百万円)
当期
受注高
(百万円)

(百万円)
当期
売上高
(百万円)
振替高
(百万円)
次期
繰越高
(百万円)
当連結会計年度
(自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日)
通信建設事業
13,148
56,261
69,409
58,695
2,809
7,904
情報サービス事業
136
3,938
4,074
3,922
35
117
住宅不動産事業
40
1,601
1,641
1,393
248
リース他事業
2,004
6,381
8,386
6,331
72
1,982
15,329
68,183
83,513
70,343
2,917
10,252

(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。従って当期売上高にもかかる増減額が含まれます。

2 振替高は、前期繰越高のうち工事進捗度に見合う金額で、従来工事完成基準によっておりました工事契約について工事進行基準を適用したことにより、特別損益に振替えた金額であります。

3 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高-振替高)に一致します。

(2) 売上高

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
西日本電信電話株式会社
(百万円)
その他
(百万円)
合計
(百万円)
前連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
通信建設事業
35,730
23,828
59,559
情報サービス事業
4,469
4,469
住宅不動産事業
1,701
1,701
リース他事業
6,898
6,898
35,730
36,898
72,629
当連結会計年度
(自 平成21年4月1日
至 平成22年3月31日)
通信建設事業
33,860
24,835
58,695
情報サービス事業
3,922
3,922
住宅不動産事業
1,393
1,393
リース他事業
6,331
6,331
33,860
36,483
70,343

 

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店
平成20年度静岡西部エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度名古屋中央エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度刈谷エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度一宮エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度豊橋エリアサービス総合工事

 

当連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店
平成21年度静岡西部エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成21年度名古屋中央エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成21年度一宮エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成21年度豊橋エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成21年度刈谷エリアサービス総合工事

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度
 
 
西日本電信電話株式会社
35,730百万円
49.2%
 
 
 
当連結会計年度
 
 
西日本電信電話株式会社
33,860百万円
48.1%

 

(3) 次期繰越高

次期繰越高は上記(1)のとおりでありますが、その主なものは次のとおりであります。

 

西日本電信電話株式会社
愛知総21-0651電気通信設備工事
平成22年8月完成予定
西日本電信電話株式会社
愛知総20-1151電気通信設備工事
平成22年11月完成予定
学校法人電波学園
東海工業専門学校熱田校改築工事(電気設備工事)
平成22年12月完成予定
中日本高速道路株式会社
第二東名高速道路 春山川橋~芝川第二高架橋間通信線路工事
平成23年7月完成予定

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く経営環境は、国内の景況が次第に回復すると見込まれるものの、企業の設備投資や個人消費の動向については、依然不透明で慎重な動きが続くものと思われます。
 情報通信分野におきましては、今後もユビキタス化の進展に向けたインフラ整備や、サービスの多様化・高度化が進められることが予想される一方で、主要な取引先である通信事業各社での料金、サービス両面での競争激化により、当社グループにとって受注価格面での厳しさは一層増すものと思われます。
 このような事業環境の中、当社グループは「お客様に感動いただけるソリューション&エンジニアリング企業グループ」として持続的に成長できる企業グループとなるため、「受注拡大」「徹底したコスト低減」「事業運営効率化」「人材の育成」等の取り組みを推進してまいります。
 また、安全・品質への取り組み、CSR経営および内部統制システム定着の推進につきましても継続的に注力してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(特定の得意先との取引について) 

当社グループは、通信建設事業を主な事業としており、NTTグループを始めとする通信事業者各社との安定的な取引を継続しておりますが、これら各社の売上高に占める割合が高く、通信事業者各社の設備投資動向や技術革新によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(CSRについて)

当社グループは、人身事故ゼロ・設備事故ゼロ・情報漏洩ゼロの企業理念を基本として、安全衛生や品質のマネジメントシステムを導入し、お客様の満足のために信頼の技術と品質を提供することとしておりますが、重大な事故等不測の事態を発生させた場合は、社会的に大きな影響を与えるとともに、営業活動に制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、ブロードバンド・ユビキタスサービスを支える、次世代ネットワークNGN(Next Generation Network)の本格的な普及に伴い、NGNに関連する研究開発、また通信建設工事に関連する研究開発を専門研究機関、関連企業等と協調して継続的に進めてまいりました。さらに、NGN向け製品サービスを研究開発して製品化しております。
 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、66百万円(研究員6人)となっており、主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(通信建設事業)

(1)NGNの運用、サービス利用に関する研究開発

 ①NGN運用のシステム方式に関する研究開発
 ②NGNを利用する各種サービスに関する研究開発

(2)通信建設工事に関する研究開発

  ①情報通信インフラ設備を安全かつ効率的に構築するための施工方法、機工具の研究開発
 ②情報通信インフラ設備の施工性向上にむけた新技術・技術改良に関する研究開発
 ③ビル・構内光配線における接続技術改良に関する研究開発

 

(リース他事業)

ICTソリューション事業の研究開発
  ①NGN向け製品サービスとして、360度カメラをベースとした下記の3製品を開発と機能増強

・全方位映像における監視、記録、映像会議システムのインターネットを経由した遠隔サービス

・全方位の映像による画像解析システム

②超磁歪素子(振動素子)を用いた振動型ワイヤレスマイクスピーカーの開発

・装置本体が触れたものから音を出すワイヤレススピーカーで、マイクを内蔵しハンズフリ         ーにも対応する装置を開発

・Bluetooth機能搭載により、パソコンや携帯電話、オーディオプレーヤーなど様々な機器とワイヤレスで接続可能(商品名:OmniBeat(オムニ・ビート)商標登録済、特許出願中)

③ホームページ解析技術の開発

e-nds.com及びhome-ict.jpの両サイトに対するSEO対策技術、アクセス解析技術の開発

(情報サービス事業及び住宅不動産事業)

研究開発活動は特段行われておりません。

 

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成22年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、「工事契約に関する会計基準」及び「退職給付に係る会計基準」の一部改正(その3)を除いて、前連結会計年度と同一の基準に従って作成しております。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態に関する分析

資産は、前連結会計年度末と比較して、15億56百万円増加し、631億21百万円となりました。主な増加は受取手形・完成工事未収入金等の増加62億60百万円や、販売用不動産の増加16億91百万円であり、主な減少は、未成工事支出金の減少28億89百万円、現金預金の減少12億66百万円や、仕掛販売用不動産の減少12億45百万円であります。
 負債は、前連結会計年度末と比較して、15億57百万円増加し、312億59百万円となりました。主な増加は支払手形・工事未払金等の増加45億47百万円や、長期借入金の増加2億49百万円であり、主な減少は、短期借入金の減少22億96百万円や、賞与引当金の減少1億79百万円であります。
 純資産は、前連結会計年度末(少数株主持分を含む)とほぼ同額の318億61百万となりました。
 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の48.3%から47.1%となりました。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、通信建設事業において、NTT以外工事の増加はありましたが、家庭向け光ファイバ工事の伸び率低下やNTTアクセス工事の減少もあり、売上高は減少しました。また、情報サービス事業、住宅不動産事業及びリース他事業でも、設備投資・個人消費の冷え込み、企業の経費削減や見直しの影響を受け減収となりました。

利益面につきましては、リース他事業での改善はあったものの、通信建設事業で競争激化に伴う受注価格低下を受け、営業利益及び経常利益は大幅な減益となりましたが、当期純利益は固定資産処分損・投資有価証券評価損の発生が少なく、微減に留まっております。

 

(4) 経営成績に重要な影響を受ける要因について

当社グループは、NTTグループを始めとする通信事業者各社の設備投資動向や技術革新によって大きな影響を受ける可能性があります。

NTTグループでは、光2000万加入の達成を2010年以降に変更されたとはいえ、フレッツ光の開通数はほぼ横這いを計画されており、光アクセス網の整備・拡充による受注は引き続き期待できる他、NTTドコモ以外のモバイル系工事の一元化により受注拡大と効率化を図っておりますが、通信事業者間の競争激化による価格競争及びサービス向上による技術力確保に係るコストが営業損益を圧迫する要因となることが予想されます。

 

(5) 基本戦略の取り組み

当社グループは「すべてのお客様の満足のために、情熱をもって信頼の技術と品質を提供する」ことを企業理念として、最大の強みである情報通信ネットワーク構築技術を活かした事業展開と、常にお客様の視点に立ったサービスを提供することで、豊かな情報通信社会の実現に貢献していくことを経営の基本方針としており、「お客様に感動いただけるソリューション&エンジニアリング企業グループ」を目指し、常に変化する経営環境、市場動向に的確に対応するため、『変革・挑戦・連携』を推進しながら事業運営をすすめてまいります。具体的には、
 ・すべてのお客様へのベストパートナーとしての貢献
 ・中核事業であるエンジニアリング事業の更なる拡大による業績向上
 ・グループ内の連携による経営資源の最大限活用
 ・社会から信頼される企業グループの具現化
を基本戦略として掲げ、グループ全体でこれに取り組んでまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や長期未払金の減少による資金の減少要因はあったものの、税金等調整前当期純利益と仕入債務の増加やたな卸資産の減少要因より資金増加となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入・固定資産の取得等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び自己株式の取得等により、それぞれ資金減少となりました。

平成22年度は、支店・出先機関等の環境整備は一巡し、大型の設備投資は予定しておりませんが、短期借入金及び一年以内長期借入金の返済が予定されており、金融市場の情報収集により金利動向を的確に捉え、効率的な資金調達に努めてまいります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループ各事業の受注環境は、通信建設事業につきましては光アクセス網の整備・拡充や移動通信分野の基地局整備、WiMAX事業の拡大に向けた設備整備など、通信事業各社における一定のインフラ投資が継続されることが見込まれます。一方、官公庁・自治体工事等公共投資は、経済対策への期待が持たれるものの引き続き抑制基調で推移することが予想されます。また、受注価格面では激しい競争下にあって一層厳しさが増すことも想定されます。
 情報サービス事業、住宅不動産事業、リース他事業の受注環境につきましては、冷え込む景況下で民間設備投資の抑制や個人消費の低迷が当分続くことが予想され、いずれの事業もそれぞれ厳しい環境が継続するものと見込まれます。

このような受注環境により、経営環境は厳しさを増しておりますが、「受注拡大とコスト削減」を柱に、「人材育成」、「グループ事業運営の効率化」及び「CSR経営、内部統制システム定着の推進」を中期経営目標に掲げ、グループ全体で利益を創出すべく経営体質の強化に努めてまいります。