第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機を背景に、昨秋以降の為替相場の急変、株価下落、設備投資抑制の強まりなどの影響により企業業績は大幅に下降し、さらに雇用情勢の悪化、個人消費の低迷など、景気は急速に後退しました。
 当社グループの事業に大きく関係する情報通信分野においては、u-Japan政策の下でブロードバンド化、ユビキタス化がさらに進展し、固定通信分野では光サービスの更なる普及に加えてNGN(次世代ネットワーク)のエリアが拡大され、ひかり電話や映像配信など光アクセスを活用したサービス拡大が進められました。また、移動通信分野においても不感地帯解消や高速化のための基地局整備のほか、WiMAX(広帯域移動無線アクセスシステム)の事業化に伴うインフラ整備が進められるとともに、携帯端末やサービスの多様化・高度化が進展しました。
 その一方で、通信事業会社、CATV事業会社各社間のほか、MVNO(仮想移動通信事業会社)の参入も相俟って、通信料金、サービス面で顧客獲得に向けた競争が激しさを増しております。
 このような事業環境の中、当社グループは①受注拡大と収益性向上、②効率的事業運営とコスト削減、③確実な施工推進、④CSR経営の推進といった基本方針の下で事業を推進し、光関連工事や移動通信工事など通信事業各社からの受注確保に努めたほか、官公庁・自治体等からの発注工事、建物内設備工事等の受注拡大に注力しました。
 その結果、当連結会計年度の業績は、連結受注高は760億58百万円(前期比106.5%)、連結売上高は726億29百万円(前期比101.0%)、連結営業利益は17億52百万円(前期比100.7%)、連結経常利益は19億74百万円(前期比92.9%)となり、連結当期純利益は投資有価証券の評価損等により6億13百万円(前期比62.7%)となりました。

①通信建設事業

  光アクセス工事や移動通信関連工事のほか官公庁・自治体工事、建物内電気・通信設備工事、高速道路のETC工事などを積極的に受注するとともに、コスト削減に努めた結果、売上高・営業利益ともに前期と比べて増加しました。

 

②情報サービス事業

  景気が後退するなかで企業等の情報投資抑制の影響を受け、売上高・営業利益ともに前期と比べて減少しました。

 

③住宅不動産事業

  当連結会計年度に販売する物件の事業用地取得を抑制し、既存の販売用不動産・仕掛不動産を中心に確実な販売に注力しました。その結果、販売物件が前期より減少し、売上高・営業利益ともに前期と比べて減少しました。

 

④リース他事業

  半導体製造装置の設置・保守事業や人材派遣事業等が当連結会計年度は比較的順調に推移し、売上高は前期と比べて増加しましたが、通信機器製造事業の在庫調整等により営業費用が増加し、営業利益は前期と比べて減少しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億94百万円増加し、51億30百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益13億44百万円の計上、たな卸資産の減少7億90百万円及び減価償却費18億59百万円の計上による資金増加要因と売上債権の増加11億25百万円や長期未払金の減少4億71百万円及び法人税等の支払額1億20百万円等による資金の減少要因により、13億50百万円の資金増加(前連結会計年度18億74百万円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、貸付金の回収、定期預金の解約による収入があったものの、支店社屋新築・改修、工事用車両の更新などにより、20億28百万円の資金減少(前連結会計年度19億66百万円の資金減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の一部を借入金で充当したことにより、11億73百万円の資金増加(前連結会計年度96百万円の資金増加)となりました。

 

2 【受注高及び施工高の状況】

(1) 受注高、売上高、繰越高及び施工高

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
前期
繰越高
(百万円)
当期
受注高
(百万円)

(百万円)
当期
売上高
(百万円)
次期繰越高
当期
施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち
施工高
(百万円)
前連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
通信建設事業
10,294
57,635
67,929
58,384
9,545
2,925
58,010
情報サービス事業
156
4,603
4,759
4,643
116
62
4,643
住宅不動産事業
128
2,449
2,577
2,310
267
2,310
リース他事業
1,812
6,711
8,524
6,552
1,971
8
6,548
12,391
71,399
83,791
71,890
11,901
2,996
71,513
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
通信建設事業
9,545
63,162
72,707
59,559
13,148
2,391
59,025
情報サービス事業
116
4,489
4,606
4,469
136
44
4,451
住宅不動産事業
267
1,475
1,742
1,701
40
1,701
リース他事業
1,971
6,931
8,903
6,898
2,004
67
6,957
11,901
76,058
87,959
72,629
15,329
2,503
72,136

(注) 1 前期以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。従って当期売上高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越高の施工高は個別進捗率により算出したものである。

3 当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 売上高

 

期別
事業の種類別
セグメントの名称
西日本電信電話株式会社
(百万円)
その他
(百万円)
合計
(百万円)
前連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
通信建設事業
36,933
21,450
58,384
情報サービス事業
4,643
4,643
住宅不動産事業
2,310
2,310
リース他事業
6,552
6,552
36,933
34,956
71,890
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
通信建設事業
35,730
23,828
59,559
情報サービス事業
4,469
4,469
住宅不動産事業
1,701
1,701
リース他事業
6,898
6,898
35,730
36,898
72,629

 

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店
平成19年度静岡西部エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度名古屋中央エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度一宮エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度刈谷エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成19年度豊橋エリアサービス総合工事

 

当連結会計年度 請負金額1億円以上の主なもの。

 

西日本電信電話株式会社 静岡支店
平成20年度静岡西部エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度名古屋中央エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度刈谷エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度一宮エリアサービス総合工事
西日本電信電話株式会社 名古屋支店
平成20年度豊橋エリアサービス総合工事

 

2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

 

前連結会計年度
 
 
西日本電信電話株式会社
36,933百万円
51.4%
 
 
 
当連結会計年度
 
 
西日本電信電話株式会社
35,730百万円
49.2%

 

(3) 手持高

手持工事は上記(1)のとおりであるが、その主なものは次のとおりであります。

 

エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社
市道那816号線電線共同溝整備工事委託
平成21年7月完成予定
国土交通省
平成20年度 23号岡崎BP岡ノ山休憩施設情報提供装置工事
平成21年8月完成予定
西日本電信電話株式会社
岐阜総20-0102電気通信設備工事
平成22年1月完成予定
株式会社大林組
衆議院新議員会館新築工事内弱電設備工事(Ⅰ期)
平成22年6月完成予定
西日本電信電話株式会社
愛知総20-1151電気通信設備工事
平成22年11月完成予定
 
 
 

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く経営環境は、国内の景況が当面後退・低迷局面で推移するものと見られ、民間設備投資抑制等の影響も懸念されます。情報通信分野におきましては、今後も光アクセスと無線を中心としたブロードバンド化、ユビキタス化の進展に向けたインフラ整備や、サービスの多様化・高度化が進められることが予想されます。しかし一方では、通信事業会社間の熾烈な競争により受注価格面で一層厳しさが増すことが想定されます。
 こうした中で当社グループとしましては、安全・品質を重視し以下の取り組みを柱として諸施策を推進してまいります。
 ・受注拡大とコスト低減
 ・人材の育成
 ・グループ事業運営の効率化
 ・CSR経営、内部統制システム定着の推進

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(特定の得意先との取引について)

当社グループは、通信建設事業を主な事業としており、NTTグループを始めとする通信事業者各社との安定的な取引を継続しておりますが、これら各社の売上高に占める割合が高く、通信事業者各社の設備投資動向や技術革新によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(CSRについて)

当社グループは、人身事故ゼロ・設備事故ゼロ・情報漏洩ゼロの企業理念を基本として、安全衛生や品質のマネジメントシステムを導入し、お客様の満足のために信頼の技術と品質を提供することとしておりますが、重大な事故等不測の事態を発生させた場合は、社会的に大きな影響を与えるとともに、営業活動に制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、ブロードバンド・ユビキタスサービスを支える、次世代ネットワークNGN(Next Generation Network)の本格的なサービス展開を見据え、NGNに関連する研究開発を専門研究機関、関連企業等と協調して継続的に進めてまいりました。さらに、事業展開に密着した開発として、NGN向け製品サービスを研究開発し製品化しております。
 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、36百万円(研究員5人)となっており、主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(通信建設事業)

(1)NGN構築に関する設計、施工及び利用技術の研究開発
   ①NGN構築に関する基幹技術(設計、施工)の研究開発
   ②ブロードバンド対応の映像配信(VOD)技術に関する研究開発
(2)通信建設工事に関する研究開発

  ①情報通信インフラ設備を安全かつ効率的に構築するための施工方法、機工具の研究開発
  ②ビル・構内光配線に関する設計、工法等の研究開発

 

(リース他事業)

ICTソリューション事業の研究開発

①NGN向け製品サービスとして、360度カメラをベースとした下記の3製品を開発と機能増強
  ・インターネットを使った映像会議システム
  ・一台で死角のない監視システム
  ・全方位の映像撮影および記録できる映像記録システム
②超磁歪素子(振動素子)を用いた振動型ワイヤレスマイクスピーカーの開発
 装置本体が触れたものから音を出すワイヤレススピーカーで、マイクを内蔵しハンズフリーにも対応する装置を開発。Bluetooth機能搭載により、パソコンや携帯電話、オーディオプレーヤーなど様々な機器とワイヤレスで接続可能。

 

(情報サービス事業及び住宅不動産事業)

研究開発活動は特段行われておりません。

 

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、たな卸資産の評価及びリース取引に関する会計処理を除いて、前連結会計年度と同一の基準に従って作成しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、通信建設事業において、家庭向け光ファイバ工事は引き続き堅調に推移し、移動通信関連工事も順調に売上高を伸ばしました。一方、通信建設事業以外では、情報サービス事業・住宅不動産事業の落ち込みはあったものの、半導体製造装置の設置・保守事業や人材派遣事業は比較的順調で全体としては増収となりました。

利益面につきましては、増収効果、販管費の削減もあり、営業利益は増益となりましたが、経常利益は営業外費用の負担、当期純利益は固定資産処分損・投資有価証券評価損の発生があり、それぞれ減益となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を受ける要因について

当社グループは、NTTグループを始めとする通信事業者各社の設備投資動向や技術革新によって大きな影響を受ける可能性があります。

NTTグループでは、光2000万加入の達成を2010年以降に変更されたとはいえ、光アクセス網の整備・拡充による受注は引き続き期待できる他、移動通信の基地局やWiMAX事業の拡大に向けた設備の整備などでも受注の拡大が期待できますが、通信事業者間の競争激化による価格競争及びサービス向上による技術力確保に係るコストが営業損益を圧迫する要因となることが予想されます。

 

(4) 基本戦略の取り組み

当社グループは「すべてのお客様の満足のために、情熱をもって信頼の技術と品質を提供する」ことを企業理念として、最大の強みである情報通信ネットワーク構築技術を活かした事業展開と、常にお客様の視点に立ったサービスを提供することで、豊かな情報通信社会の実現に貢献していくことを経営の基本方針としており、「お客様に感動いただけるソリューション&エンジニアリング企業グループ」を目指し、常に変化する経営環境、市場動向に的確に対応するため、『変革・挑戦・連携』を推進しながら事業運営をすすめてまいります。具体的には、
 ・すべてのお客様へのベストパートナーとしての貢献
 ・中核事業であるエンジニアリング事業の更なる拡大による業績向上
 ・グループ内の連携による経営資源の最大限活用
 ・社会から信頼される企業グループの具現化
を基本戦略として掲げ、グループ全体でこれに取り組んでまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や長期未払金の減少による資金の減少要因はあったものの、税金等調整前当期純利益と減価償却費の計上、たな卸資産の減少による増加要因により資金増加となりましたが、投資活動によるキャッシュ・フローでは、有価証券の売却・償還が少額に留まり、支店社屋等の設備投資により減少となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、自己株式の取得、配当金の支払い等がありましたが、運転資金の一部を借入金で充当したことにより資金増加となりました。

平成21年度は、社屋の建替への設備投資は一段落したものの、短期借入金及び一年以内長期借入金の返済が予定されており、金融市場の情報収集を的確に行い、効率的な資金調達に努めてまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループ各事業の受注環境は、通信建設事業につきましては光アクセス網の整備・拡充や移動通信分野の基地局整備、WiMAX事業の拡大に向けた設備整備など、通信事業各社における一定のインフラ投資が継続されることが見込まれます。一方、官公庁・自治体工事等公共投資は、経済対策への期待が持たれるものの引き続き抑制基調で推移することが予想されます。また、受注価格面では激しい競争下にあって一層厳しさが増すことも想定されます。
 情報サービス事業、住宅不動産事業、リース他事業の受注環境につきましては、冷え込む景況下で民間設備投資の抑制や個人消費の低迷が当分続くことが予想され、いずれの事業もそれぞれ厳しい環境が継続するものと見込まれます。

このような受注環境により、経営環境は厳しさを増しておりますが、「受注拡大とコスト削減」を柱に、「人材育成」、「グループ事業運営の効率化」及び「CSR経営、内部統制システム定着の推進」を中期経営目標に掲げ、グループ全体で利益を創出すべく経営体質の強化に努めてまいります。